第7の栄養素として注目されているのが『ファイトケミカル(Phytochemical)』です。
ファイト(Phyto)は、ギリシャ語で植物、ケミカル(Chemical)は化学物質を意味します。
直訳すると『植物に由来する化学成分』です。
必須栄養素ではありませんが、体に様々な影響を与えてくれる成分として注目されています。また、アンチエイジング効果にも大きく関係しているようです。
今回はファイトケミカルの効能効果とおかき・あられ・せんべいとの関係を簡単にまとめてみました。

「フィトケミカル」と呼ぶ場合もあります。
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目次(もくじ)
ファイトケミカルについて

私たちの食べ物には、さまざまな栄養成分が含まれています。
3大栄養素である、たんぱく質・脂質・炭水化物。第4・第5の栄養素であるビタミン・ミネラルについで、第6の栄養素と言われているのが食物繊維。
そして、第7の栄養素として注目されているのがファイトケミカルです。
- たんぱく質
- 脂質
- 炭水化物
- ビタミン
- ミネラル
- 食物繊維
- ファイトケミカル
植物である野菜、果物、穀類、豆類、芋類、海藻、お茶、ハーブなどに多く含まれています。主なものとしては、カロテノイド、フラボノイド、ポリフェノール、カテキンなどです。
植物自身が外部環境(太陽からの紫外線や空気や水の中にある有害物質、植物を食べる昆虫など)から身を守るために作り出された物質で、色素や香り、辛み、苦みなどの成分なのです。
厳しい自然の中で生き抜いていくために長い年月をかけて独自の術を生み出した植物が持つ秘密の力といった感じでしょうか。
最近は、アンチエイジング効果が期待できるということもあって、この秘密の力を解明しようという動きが広がっています。
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ファイトケミカルの種類について

ファイトケミカルの種類は、なんと数千〜数万にのぼるとも言われています。
また、ひとつの植物だけでも約数十から数百種類ほどが存在するとも言われています。成分に関しては、大きく分けると次の5つに分類されています。
- ポリフェノール類・・・アントシアニン、イソフラボン、カテキンなど
- カロテノイド類・・・β‐カロテン、リコピン、ルテインなど
- テルペン類(香気成分)・・・リモネン、ジテルペン、メントールなど
- 硫黄化合物・・・アリシン、イソチオシアネートなど
- 多糖類・・・β‐グルカン、イヌリン、フコイダンなど
見たこと聞いたことのある成分の名前もあると思いますが、色でイメージするとわかりやすいかもしれません。
緑黄色野菜をバランスよく食べることで、それぞれのファイトケミカルの恵みを頂きやすくなります。
食生活の欧米化で野菜不足に?

昭和時代、食生活の欧米化が進んできました。平成から令和になってもその傾向が続いています。
そのため、肉類や乳製品の消費が増え、動物性のたんぱく質や脂質(脂肪)の摂取が増えています。
そこで、野菜中心の和食文化を見直そうという取り組みが日本各地で行われています。
人生100年時代と言われる忙しい社会生活の中で、毎日、栄養バランスを考えた献立を立てることが難しいのが現状です。
健康寿命という言葉が叫ばれるなか、スーパーやコンビニなでも健康を意識した商品の企画開発が進んでいます。
最近では、物流網の発展もあって、Oisix(おいしっくす)などの企業が、定期的に食材を自宅にまで届けてくれるサービスがコロナ禍もあって人気のようです。昔なら考えることの出来なかったサービスですが、これからは高齢化もあってますます利用者が増えて行きそうです。
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機能性成分はアンチエイジングにも効果あり?
機能性成分は、体の各機能(免疫系・内分泌系・神経系・循環系・消化系)を調節して体調を整えることで、病気を予防する効果が認められた成分です。
ファイトケミカルで注目されている機能が強力な抗酸化作用だと言われています。活性酸素などの攻撃から細胞を守る抗酸化作用が働き、生活習慣病の予防に有効と言われています。また、老化の防止にも役立つためアンチエイジング効果も期待されています。
主にアンチエイジング効果は下記の5種類の栄養素が含まれる食べ物が挙げられることが多いです。
- ビタミンC・・・果物(レモン、イチゴなど)、緑黄色野菜(ブロッコリーなど)
- ビタミンE・・・種実類(ピーナッツ、アーモンドなど)、植物油(米糠油など)
- ミネラル類・・・海藻類(海苔、ワカメなど)、発酵食品(納豆など)
- カロテノイド・・・緑黄色野菜(パプリカ、トマトなど)、果物(ミカンなど)
- ポリフェノール・・・果物(ブルーベリーなど)、豆類(黒大豆など)
但し、ファイトケミカルのなかには、じゃがいもの芽や皮に含まれるソラニンなどは、腹痛などの中毒症状を起こすものもあります。
すべての成分が体に良いというわけでなく、ファイトケミカルだけに限らず、きちんとした知識のもと、自分にあったものをバランスよく食べることが大切です。

栄養成分などが気になる方は、管理栄養士さんなどの専門家に相談するのも良いかもしれません。

ファイトケミカルとおかき・あられ・せんべい
おかき・あられ・せんべいに使用されている素材そのものにファイトケミカルが含まれているものがあります。代表的なものを幾つか例にあげてみました。

- リコピン・・・トマトあられ
- カプサイシン・・・七味おかき
- β‐カロテン・・・野菜(にんじん)せんべい
- フラボノイド・・・レモンおかき
- ケルセチン・・・玉ねぎせんべい
- カテキン・・・緑茶せんべい
- イソフラボン・・・きなこあられ
- アントシアニン・・・黒豆おかき
- ルテイン・・・ほうれん草せんべい
- アリシン・・・にんにくせんべい
- アリルイソチオシアネート・・・わさびおかき
- セサミン・・・ごませんべい
- ショウガオール・・・生姜せんべい
- タンニン・・・ごぼうおかき
- ルチン・・・そばせんべい
- ゼアキサンチン・・・とうもろこしせんべい
- ロズマリン酸・・・しそせんべい
- フコイダン・・・こんぶおかき
※ここでのせんべいは、小麦粉や澱粉などが主原料となるせんべいも含まれています。
普段は何気なくいただいているお菓子ですが、ファイトケミカルの恵みを間接的に頂いていることになります。
おかき・あられ・せんべいでも目に見えないところでアンチエイジング効果が働いているのかもしれません。
さいごに

私は、ワインに含まれるポリフェノールについて調べているうちに、ファイトケミカルという言葉に出会いました。そこで、栄養学についてのさまざまな本を読んでいるうちにファイトケミカルが、おかき・あられ・せんべいにも関係があることがわかり大変興味を持ちました。
緑茶に含まれるカテキンには、抗酸化作用、殺菌作用、血糖の上昇を抑制する作用などがあることがわかっています。炭水化物(糖質)を多く含むおかき・あられ・せんべいとの食べ合わせが好まれる背景にも、こういったうれしい理由があったりします。
ただし、現代においても発見されていない成分や機能もまだまだたくさんあり、明らかになっていない部分が多く、専門家によって研究が進んでいます。そのため、消化吸収などの個人差によって効果があるかどうかは体質によって違うとも言われています。
時代とともに必要とされる表示項目はどんどんと増えています。栄養成分表示のように、いつかはファイトケミカルについての機能も明らかになるかと思います。
そうなれば、今よりももっと美味しいおやつタイムを過ごすことができるようになるのではと胸に期待が膨らみます。
最後までご覧頂きありがとうございました。当記事が何かのお役に立てれば幸いです。
※栄養素の効能などについては素材について述べたものであり、商品の効果を示すものではありません。
※写真やイラストはイメージです。