おかき・あられ・せんべいによく利用される素材と言えば「海苔」です。
この海苔には「ビタミンB12」が豊富に含まれているのはご存知でしょうか。
ビタミンB12は、葉酸と協力して赤血球を作り、血液を増やしてくれます。
海苔はミネラルだけでなく、貧血にも有効とされる葉酸も含んでいます。
今回は、ビタミンB12と葉酸の働きや効能を交えながら、代表的な食品との含有量の比較も行ってみました。

海苔は日本の健康食材です!
毎日食べたい「海の牛肉」と呼ばれる海苔の栄養価と効能効果について
目次(もくじ)
ビタミンB12と葉酸の働きについて

ビタミンB12(Vitamin B12)と葉酸(Folic acid)は、血液に含まれる赤血球との関係が深い栄養素です。
赤血球は、体内で物質代謝が繰り返されて絶えず新しく生まれ変わっています。
その合成の働きをサポートするのが「造血のビタミン」とも呼ばれるビタミンB12と葉酸のペアなのです。
- ビタミンB12・・・赤血球のヘモグロビンの合成を助ける
- 葉酸・・・細胞分裂を助け、造血をサポート
また、ビタミンB12には他にも大切な働きをしてくれています。
それは、末梢神経の働きを改善したり修復したりする作用です。
今回、私がビタミンB12について取り上げたのには理由があります。以前、突発性難聴という病気にかかり片耳の聴力を半分失ってしまいました。
治療の際に、耳の末梢神経を再生する働きがあるとされるビタミンB12系の薬も処方され、随分と長い間飲み続けてきた経験があり、今でも関係の深いビタミンのひとつなのです。

健康には気をつけて下さい。
海苔に含まれるビタミンB12と葉酸について

海苔に含まれるビタミンB12は、100gあたり57.6μg、葉酸は1900μgです。
鶏肉のレバー(生)に含まれるビタミンB12は、100gあたり44.4μg、葉酸は1300μgです。
- 海苔(ビタミンB12)・・・57.6μg
- 鶏肉(ビタミンB12)・・・44.4μg
- 海苔(葉酸)・・・1900μg
- 鶏肉(葉酸)・・・1300μg
※読み方:μg(マイクログラム)

海苔のビタミンB12と葉酸に含まれる量は、あの鶏肉のレバーを凌ぎます。
おかき・あられ・せんべいの主原料はお米(植物性食品)のため、素材に海藻類や魚介類を使ったものを選ぶことで、その恩恵を授かることが可能になります。
では、実際に表にして代表的な食品と比べてみました。
ビタミンB12と葉酸の含有量(100gあたり)
ビタミンB12を含む代表的な食品を例に、わかりやすいように100gあたりで比較してみました。
種類 | B12 | 葉酸 |
---|---|---|
海苔(焼きのり) | 57.6㎍ | 1900㎍ |
鶏肉(生・レバー) | 44.4㎍ | 1300㎍ |
うるめいわし(干し) | 24.7㎍ | 44㎍ |
さくらえび(干し) | 11.0㎍ | 230㎍ |
ほうれんそう | 0μg | 210μg |

海苔は実際に食べる量はそこまで多くはないですが、含有量が多い点については嬉しいポイントです。
ビタミンB12と葉酸の摂取基準について

ビタミンB12は水溶性のため過剰症の心配がないとされていますが、推奨量を目安に適度に適量を摂ることが理想かと思います。現時点では上限量は定められていません。(2020年7月現在)
一日の推奨量は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると成人で2.4μgとされています。
ビタミンB12の食事摂取基準(㎍/日)
ビタミンB12の1日の推奨量は、厚生労働省の日本人の食事摂取基準によると成人で2.4μgとされています。
性別 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
年齢 | 推奨量 | 推奨量 |
18~29(歳) | 2.4㎍ | 2.4㎍ |
30~49(歳) | 2.4㎍ | 2.4㎍ |
50~64(歳) | 2.4㎍ | 2.4㎍ |
65~74(歳) | 2.4㎍ | 2.4㎍ |
成分を「コバラミン」と言い、赤い色の結晶であるため「赤いビタミン」とも呼ばれています。
ビタミンB12は、おもに動物性食品に含まれていて、植物性食品にはほとんど含まれていない栄養素です。
葉酸の食事摂取基準(㎍/日)
葉酸の1日の推奨量は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると成人で240μgとされています。
性別 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
年齢 | 推奨量 | 推奨量 |
18~29(歳) | 240㎍ | 240㎍ |
30~49(歳) | 240㎍ | 240㎍ |
50~64(歳) | 240㎍ | 240㎍ |
65~74(歳) | 240㎍ | 240㎍ |
成分を「プテロイルグルタミン酸」と言い、ビタミンB群の一種です。
たんぱく質やDNAの合成に関わり、発育を促す作用でも有名です。
葉酸は、野菜以外にも乳製品をはじめ、鶏、魚介類、果物、穀物、ナッツにも含まれています。
海苔巻おかきの魅力

どのような食品も食べ過ぎによる偏りは良くありませんが、海苔巻きのおかき・あられ・せんべいを食べるとビタミンB12と葉酸がわずかでも摂取できます。
基本的に、米菓(べいか)は精米したお米で作るため、ほとんどを炭水化物(糖質)が占めます。
たんぱく質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなどを含む素材との組み合わせは理想的です。
栄養バランスを意識することで、体に優しいおやつの時間を楽しむことが出来ると思っています。
私たちの食事は主食がメインとなりますが、間食には補食の役割もあるため、海苔巻きを取り入れて頂ければ嬉しいばかりです。
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さいごに

ビタミンB12は海苔や肉、魚のほかにも貝、卵、牛乳、乳製品などにも含まれているので、日々の食事で十分に摂ることができると思います。
しかし、不規則な食生活や栄養バランスの偏りが長く続くと知らない間に不足することにもなりかねません。さまざまな症状を引き起こす貧血だけは避けたいところです。
今回は、おやつの時間にもビタミンB12と葉酸を摂取できることを知っていただければと思い取り上げてみました。
ビタミンとミネラルは、飲み物との食べ合わせでも補って頂ければと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。当記事が何かのお役に立てれば幸いです。
※食べ合わせは体調や健康状態によって向き不向きがあります。
※栄養成分の効能効果については個人差があります。
※写真やイラストはイメージです。