青のり・あおさ・ヒトエグサの違いと栄養成分について|海の緑黄色野菜

green laver (青のり)

青のり』と『あおさ』、『ヒトエグサ』は、おかき・あられ・せんべいにも良く使われる素材です。

磯の香りやきれいな緑色が独特で、料理でも馴染みのある食材ですが、用途によって上手に使い分けられています。

すべて日本に生息する藻類の一種で、よく似ていますが、厳密には種類が違うものになります。

そこで、今回は青のり・あおさ・ヒトエグサの栄養成分を交えて、特徴や違いについてまとめてみました。

3種類をそれぞれ撮影してみましたので、写真も参考になれば幸いです。

青のり・あおさ・ヒトエグサの種類と分類表

青のりとあおさはアオサ科の藻類です。青のりはアオノリ属、あおさはアオサ属に分類されています。一方、ヒトエグサはヒトエグサ科のヒトエグサ属になります。

藻類分類表(青のり・あおさ・ヒトエグサ)製作図2021.8.15

ヒトエグサ科のヒトエグサを伊勢志摩周辺などの一部の地域では、通称として「あおさあおのりあおさのり」と呼ぶことがありますが、当記事では分類表の通り3つに分けて表示し比較しています。

青のり・あおさ・ヒトエグサの違いと見分け方

青のり・あおさ・ヒトエグサを並べた画像(撮影写真)

青のり・あおさ・ヒトエグサは、香りや色合い、食感や風味は異なります。用途によっても形態や大きさも変わってきます。

確実な見分け方は、商品パッケージに記載されている原材料名を確認することですが、中身を見比べてみないと色合いや形態の違いが分かりにくいかもしれません。

そこで、青のり・あおさ・ヒトエグサを撮影してみましたので、画像で見比べて頂ければと思います。あくまでも一例ですが、なんとなくでも違いを分かって頂けると幸いです。

以下、それぞれの特徴や産地、用途の違いについてまとめてみました。

※呼び名や分類は資料によって異なる場合があります。

青のりの特徴と産地について

青のり(撮影写真)

青のり(青海苔)は、糸状の藻類で香りや風味が豊かなため、あおさやヒトエグサに比べると高価です。

海水と淡水が混じる河口付近の汽水域(きすいいき)で育ちます。特に高知県の四万十川で採れる天然のスジアオノリは最高級品と言われています。

徳島県の吉野川、愛媛県、岡山県なども主な産地です。

青のりは、とても香りが良いうえにきめが細かく甘みもあるため、主に高級な料理や御菓子に利用されています。特におはぎなどの和菓子には欠かすことの出来ない素材です。

食べ方としては、青のりの最大の魅力となる芳香を活かしたトッピング系が多いのが特徴です。

あおさの特徴と産地について

あおさ(撮影写真)

あおさ(石蓴)は、葉状の藻類で青のりの仲間です。海の浅いところにある岩場などに付着して繁殖します。

愛知県の三河湾をはじめ岡山県や日本広域で生息しています。青のりに比べると比較的安定して採取できるので、手ごろな価格で販売されています。

一部地域では「坂東粉(ばんどうこ)」とも呼ばれ、料理をはじめ加工食品や菓子類に幅広く使用されています。

青のりより少し香りが弱いと言われていますが、私自身は青のりとはまた違ったよい香りがすると思います。

あおさの食べ方としては、お好み焼きやたこ焼き、卵焼きなど。量を気にせずにたっぷりと利用できるのは嬉しいところです。

ヒトエグサの特徴と産地について

ひとえぐさ(撮影写真)

ヒトエグサ科のヒトエグサは、漢字で『一重草』と書きます。

生産量は三重県が日本一を誇り、太平洋沿岸をはじめ、九州や沖縄が主な産地です。沖縄では「アーサ」とも呼ばれ、海の野菜として親しまれ、汁物などの郷土料理に使われています。

葉がやや厚めなので煮込み料理や佃煮(つくだに)の原料に最適と言われています。色合いも美しいことから、食べ方としては、みそ汁や酢の物、てんぷら、ふりかけなどの料理に幅広く利用されています。

参考

ヒトエグサを原材料にした商品のパッケージには、「ヒトエグサは、三重県では昔から通称あおさのりと言われています。」などと記載されている場合もあります

青のり・あおさ・ヒトエグサの栄養成分

藻類の養殖:風景写真(イメージ画像)

アオサ科の青のりあおさは同じ仲間になりますが、育つ環境が違うため栄養成分の値にも微妙に違いがあります。ヒトエグサと比べてみても各々の栄養価はそれぞれ違います。

では、「青のり・あおさ・ヒトエグサの栄養価はどれが一番高いの?」という疑問が浮かぶかと思います。そこで栄養成分表示やビタミン、ミネラルを比較してみましたので、参考にして頂ければと思います。

青のりの栄養分を基準に比べてみて下さい。

栄養成分表(カロリー・糖質・塩分)

実際に、おかき・あられ・せんべいの原材料として使用されている量は、もっと少量ですが比較として100gあたりを目安としています。

エネルギーは、たんぱく質・脂質・炭水化物の熱量の合計値です。糖質は炭水化物から食物繊維を差し引いた数値となります。塩分は食塩相当量でご確認ください。

項目青のりあおさヒトエグサ
エネルギー164㎉130㎉130㎉
たんぱく質29.4g22.1g16.6g
脂質5.2g0.6g1.0g
炭水化物41.0g41.7g46.3g
-糖質5.8g12.6g2.1g
-食物繊維35.2g29.1g44.2g
食塩相当量8.1g9.9g11.4g
参考:七訂 食品成分表2020 女子栄養大学出版部

すべて同じ藻類のため数値は比較的近いですが、カロリーもそこまで高くなく、炭水化物に含まれる食物繊維の割合が糖質を上回っている点が確認できます。

食塩相当量においては藻類のため、ある程度の量が含まれますが、使う量が少量の場合はそこまで気にする必要はないかなと思います。

脂質においては青のりが、あおさとヒトエグサの約数倍多く含まれている特徴が見られます。脂質は、細胞膜や血管を強くしてくれたり、脂溶性ビタミンの吸収を高めてくれます。

食物繊維の含有量は魅力的です。

主なビタミン含有量(100gあたり)

種類青のりあおさヒトエグサ
ビタミンA20000㎍2500㎍8500㎍
ビタミンE2.5㎎1.1㎎2.5㎎
ビタミンB60.50㎎0.09㎎0.03㎎
ビタミンB1232.1㎍1.3㎍0.3㎍
ビタミンC62㎎25㎎38㎎
参考:七訂 食品成分表2020 女子栄養大学出版部

※ビタミンAは、β‐カロテン、ビタミンEは、α‐トコフェロールの値になります。

ビタミンについては、青のりがすべてにおいて多く含まれているのがわかります。特にビタミンAビタミンB12においては、あおさとヒトエグサの数倍~数十倍多く含まれています。

ビタミンAは皮膚や粘膜を健康に保つ成分で、目にも良いとされています。また、ビタミンB12は貧血を予防したり神経の働きをサポートしてくれる成分です。

主なミネラル含有量(100gあたり)

種類青のりあおさヒトエグサ
ナトリウム3200㎎3900㎎4500㎎
カリウム2500㎎3200㎎810㎎
カルシウム750㎎490㎎920㎎
マグネシウム1400㎎3200㎎880㎎
リン390㎎160㎎280㎎
77.0㎎5.3㎎3.4㎎
参考:七訂 食品成分表2020 女子栄養大学出版部

青のりはリンと鉄、あおさはカリウムとマグネシウム、ヒトエグサはナトリウムとカルシウムが一番高い数値です。ミネラルにおいては、それぞれの含有量に違いが見られます。

  • 青のり・・・鉄、リン
  • あおさ・・・カリウム、マグネシウム
  • ヒトエグサ・・・ナトリウム、カルシウム

鉄分不足の方にとっては、青のりにおける鉄の含有量はかなり魅力的です。鉄分の吸収を助けてくれるビタミンCも豊富なためとても優れた食品と言えます。

私自身は健康のために、ほぼ毎日、ご飯に青のりを掛けて食べるようにしています。

青のり・あおさ・ヒトエグサのミネラル(効能効果)

海岸(沖縄県)のイメージ画像

すべての効能や効果をあげるとわかりにくくなってしまいますので、ここでは青のり・あおさ・ヒトエグサに含まれる主なミネラルを取り上げています。

  • ナトリウムはカリウムと細胞内外の浸透圧を調節したり、神経や筋肉細胞の活動を助ける機能維持に必要な成分です。
  • カルシウムはリンと酸素とあわさってリン酸カルシウムとして骨や歯の構成成分になります。カルシウムは神経の興奮を沈め、精神の安定を保つ働きもあります。
  • マグネシウムはカルシウムの血管壁への沈着を防いだり骨の強化などの働きをします。脳が正しく働くためや筋肉や心臓の拍動を調整したりする必須ミネラルのひとつです。
  • 鉄分は微量ミネラルのひとつで赤血球のヘモグロビンの必須成分として知られ、酸素を運ぶ働きを助けています。また、コラーゲンの合成にも必要な大切な栄養素です。

ミネラルは、微量でもすべての成分をバランスよく摂取するのことが好ましいとされています。

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まとめ:青のりの栄養価は高いが高価

青のり・あおさ・ヒトエグサを数値だけで比べた場合、全体としては青のりの栄養価が最も高いという結果でした。しかし、国産の青のりは希少ということもあってとても高価です。

それぞれの効能や効果を踏まえると、メニューや献立によって使用する素材をチョイスするのが良いかもしれません。

メリットデメリットにおいては、どれも栄養バランスがよい点では甲乙つけがたいところです。海苔を含めた藻類は『海の緑黄色野菜』とも呼ばれる健康な食生活には欠かせない素材です。

青のり(撮影写真)

おかき・あられ・せんべいには、1種類だけを使用しているものもあればブレンドをしているものもあります。どれも食物繊維(水溶性食物繊維)を含むため、腸活にも魅力的です。

糖質(炭水化物)が多い、おかき・あられ・せんべいの素材として藻類はとても良い相性です。

青のり・あおさ・ひとえぐさ(ヒトエグサ)を使ったレシピが、ネット上ではいろいろと紹介されていますので、お気に入りの料理を見つけるのも面白いかもしれません。

最後までご覧いただきありがとうございました。当記事が何かの参考になれば幸いです。

【参考サイト】
もの知り図鑑 農林水産総合技術支援センター(徳島県)
のりのふくい 株式会社福井
【参考文献】
・「加工海苔入門」日本食糧新聞社
・大房剛「海苔をまいにち食べて健康になる」キクロス出版

※栄養成分の効能効果には個人差があります。
※写真やイラストはイメージです。