タンパク質は20種類のアミノ酸がペプチド結合で多数繋がった高分子物質。繊維状タンパク質と言われる「コラーゲン」は、美容と肌の健康維持には欠かせません。
年齢とともに合成する力が衰えていくということで、気になる成分かもしれません。
コラーゲンを吸収しやすいカタチ(低分子)にしたものがコラーゲンペプチドで、食品やお菓子などにも利用されています。
体を構成している成分では水分についで最も多いタンパク質は、肌の健康を左右するとも言われています。
そのため、炭水化物を多く含むお菓子(おかき・あられ・せんべい)をよく食べる私にとっては、できるだけ意識して摂取しておきたい成分なのです。
コラーゲンはタンパク質の一種

タンパク質はアミノ酸の重合体で、皮膚や骨に多く含まれるコラーゲンは、私たちの体のなかのタンパク質の約30%を占めています。
皮膚組織では水分を除く約70%がコラーゲンで、細胞の形を維持するための機能をもつ構造タンパク質です。
構造タンパク質の仲間として、結合組織にあるエラスチンや毛髪や爪のケラチンも有名です。
表皮の下にある真皮では、コラーゲンがエラスチンやヒアルロン酸と協力して弾力性をキープしてくれています。
- コラーゲン:肌のハリ、弾力を保つ繊維
- エラスチン:肌の細胞を繋ぎとめる繊維
- ヒアルロン酸:肌の潤いを保つ成分
これらの真皮成分を生み出す繊維芽細胞を活性化させることがポイントになりそうです。

原料は、豚や牛、鶏の皮や骨、または魚の皮やうろこが使われています。
タンパク質の構造はどうなっているの?

タンパク質は、多くのアミノ酸が鎖状につながったもの(一次構造)が、さらに螺旋(らせん)などの立体構造(二次構造、三次構造)を形成。
とくにプロリンの含有量が多く、一部はヒドロキシ化されたヒドロキシプロリンとともにコラーゲン分子の強度を高めているとされています。
アミノ酸の数による呼称の分類
アミノ酸が2~10個つながったものをオリゴペプチド、10個以上のものをポリペプチド、50個以上のものが基本的に「タンパク質」と呼ばれています。
種類 | アミノ酸の数 |
---|---|
タンパク質 | 50個以上 * |
ポリペプチド | 10個以上 |
オリゴペプチド | 2~10個 |
アミノ酸 | 1個 |
*100個以上とされる場合もあります。
※コラーゲンは、ポリペプチド鎖3本が組み合わさってできた、特殊な構造を持つタンパク質の一種です。
コラーゲンはどうやって吸収されるの?

タンパク質は、まずは胃腸の消化酵素によって分解されます。基本的にはアミノ酸という単一単位に分解されるのですが、なかには幾つかのアミノ酸がつながったままのペプチドが含まれています。
そのアミノ酸やペプチドが、小腸の上皮細胞から毛細血管に入って、体内に運ばれていきます。
分子の大きさ順に並べると下記のようなイメージです。ゼラチンをあらかじめ酵素分解して吸収しやすい形にしたものがコラーゲンペプチドです。
コラーゲン > ゼラチン > コラーゲンペプチド > アミノ酸
タンパク質はアミノ酸に分解されて、体内で再合成されるためコラーゲンにどのくらいの貢献をしているのかは、まだ解明されていないようです。
しかし、研究の結果、コラーゲンをペプチドの状態で摂取することは、少なくとも美容や肌の健康維持においても効果があるということがわかってきました。
つまり、コラーゲンペプチドが体内の繊維芽細胞などに作用することで、それぞれの箇所で効果が表れるといった仕組みです。
まとめ:おやつの時間にもコラーゲンは摂っておきたい

コラーゲンは、皮膚や軟骨などの主要なタンパク質の一種です。体内タンパク質の30%を構成しているだけに、不足すると肌の健康にも支障をきたす恐れがあります。
男女問わず年齢とともに、タンパク質が糖化することによって、皮膚などの組織が老化すると言われています。
そのためにも、できるだけ毎日の食事から摂取したいところですが、難しい場合はコラーゲン入りのサプリメントや健康食品から摂るのも良いかもしれません。
コラーゲンの合成に不可欠でもあり、老化防止にも一役買ってくれる抗酸化作用のあるビタミンCとは一緒に摂取しておきたいところです。
おやつの時間にも上手に取り入れることで、健康的なティータイムを過ごすことができるかと思います。
【参考文献】
・コラーゲン完全バイブル 真野博 幻冬舎
・栄養科学イラストレイテッド 生化学 羊土社
※コラーゲンの効能効果には個人差があります。
※写真やイラストはイメージです。