揚げせんべいや揚げ餅の、あの香ばしいコクとうま味。
美味しさの決め手は「植物油脂」です。
ついつい食べ過ぎてしまう揚げせんべいは太るのかなと気になるかもしれません。
今回は、油の正体から、ダイエット中でも安心して楽しむための具体的な目安を解説したいと思います。
人気の揚げせんべいのカロリーと脂質を比較していますので参考にしてみてください。

油について知ることで、ダイエットにも役立てることができます!
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揚げせんべいの油、その正体とは?

その正体は、ズバリ「植物油脂」です。
原材料名を見ると、米油、菜種油、パーム油、あるいはそれらをブレンドしたサラダ油などが使われていることが分かります。
このように植物から作られる食用の油を総称して「植物油脂」と呼びます。
植物油脂は、なめらかさ、コク、味わい、色、香り、耐熱性などが種類によって異なり、それが揚げせんべい一つひとつの個性につながっています。

参考までに『米油』の写真を撮っておきました!

米油は酸化に強い成分が豊富に含まれているため安定性に優れた油のひとつです。
使用される油は、素材との相性や調味料の特性を鑑みて用途に応じて使い分けられています。
ラーメン屋さんが企業秘密にされる特製スープをイメージするとわかりやすいかもしれません。
脂肪酸の構成割合

揚げせんべいに使われる植物油脂には、オレイン酸の比率が高いものが比較的多く見られます。
オメガ9系の油は酸化しにくく、原料としても保存に適しています。
この性質をうまく利用しているのも利用される理由のひとつです。
脂肪酸成分一覧表(100gあたり)
油の性格を決める「脂肪酸」。少し専門的ですが、体にどう影響するのかを知っておくと、油選びの参考になるかと思います。
- オレイン酸(オメガ9): 善玉コレステロールを維持し、酸化しにくいのが特徴。健康維持に役立つとされる油。
- リノール酸(オメガ6): 体内で作れない必須脂肪酸ですが、摂りすぎには注意が必要。
- 飽和脂肪酸: 主にバターなど動物性の脂肪に多く、摂りすぎると生活習慣病のリスクを高める可能性が。
種類 | オレイン酸 (オメガ9) | リノール酸 (オメガ6) | パルミチン酸 (飽和脂肪酸) | その他 |
---|---|---|---|---|
菜種油 | 63% | 20% | 4% | 13% |
米油 | 43% | 35% | 17% | 5% |
パーム油 | 39% | 10% | 44% | 7% |
コーン油 | 30% | 55% | 11% | 4% |
大豆油 | 24% | 54% | 10% | 12% |
ごま油 | 40% | 44% | 9% | 7% |
オリーブ油 | 77% | 7% | 10% | 6% |
脂質の大部分を占める「中性脂肪」

脂質は、中性脂肪・リン脂質・コレステロールなどの総称です。
その約9割を占めるのが中性脂肪で、一般的に『脂肪』と呼ばれています。
体内でさまざまな生理機能に関わっていますが、ここでは代表的な働きと役割についてご紹介します。
- エネルギー源の貯蔵
- 生体膜の構成成分となる
- 脂溶性ビタミンの吸収を助ける
体内に取り込まれた脂質は、消化吸収の後、小腸から吸収されて一部を除いてはリンパ管を通って全身に送られます。
エネルギー源の貯蔵に加えて、生体膜を作る材料として利用され、効能には食品や飲料に含まれる脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きがあります。
脂溶性のビタミンは、ビタミンA、D、E、Kの4種類です。
人気揚げせんべいのカロリー&脂質を徹底比較!
それでは、おなじみの人気揚げせんべいは、実際にどれくらいのカロリーと脂質があるのでしょうか?
今回は、スーパーや百貨店で手に入る代表的な3つの商品を例に、その数値を具体的に見ていきましょう。
播磨屋本店「朝日あげ」

播磨屋本店の代表作『朝日あげ』のカロリーは、1枚あたり80キロカロリー。
脂質は5.4グラムです。
こちらは1枚あたりの含有量となります。
- カロリー 80kcal
- たんぱく質 0.6g
- 脂質 5.4g
- 炭水化物(糖質) 7.2g
- 塩分 0.18g
銀座花のれん「銀座餅」

銀座花のれんの人気商品「銀座餅」のカロリーは、1枚あたり163キロカロリー。
1枚あたりの脂質は11.0グラムです。
- カロリー 163kcal
- たんぱく質 2.4g
- 脂質 11.0g
- 炭水化物(糖質) 13.6g
- 塩分 0.4g
1枚あたりのサイズは、直径約10センチ、厚み約1.2センチ、重さ約30グラムでした。
ぼんち「ぼんち揚げ」

関西で人気のぼんちの揚げせんべい「ぼんち揚げ」。栄養成分は100gあたりで表示されています。
- カロリー 530kcal
- たんぱく質 4.7g
- 脂質 31.6g
- 炭水化物(糖質) 56.6g
- 塩分 2.4g
1枚の重さが約5グラムなので、1枚あたりに換算すると約26.5kcal、脂質は約1.6gとなります。
一口サイズで食べやすいですが、他のせんべいと比較すると、枚数の割にカロリーを摂りやすいことが分かります。
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上手な食べ方で、揚げせんべいを味方につける

植物油脂は、揚げせんべいの美味しさを引き出す大切な要素です。カロリーや脂質は高めですが、食べる量や食べ方を工夫すれば、ダイエット中でも楽しむことができます。
- 1日の目安を知る:間食は1日200kcalが目安です。朝日あげなら2枚、銀座餅なら1枚など、今日の自分へのご褒美を決めましょう。
- 食べ方を工夫する:性の良い緑茶と一緒に、ゆっくり味わって食べるのがおすすめです。
- 五感で味わう:テレビを見ながら何となく食べるのではなく、香りやパリッとした食感を五感でじっくり感じてみましょう。
我慢しすぎるのではなく、油の知識を活かして、上手に揚げせんべいと付き合ってみてください。

【参考サイト】
・日本人の食事摂取基準(2020)厚生労働省
【参考文献】
・食物と健康の科学シリーズ 油脂の科学 朝倉出版
・栄養科学イラストレイテッド 食品学⑴・食品学⑵ 羊土社
※使用されている油脂はメーカーによって異なります。
※写真やイラストはイメージです。