たんぱく質は、炭水化物・脂質と並ぶ三大栄養素のひとつ。
筋肉や内臓、肌など体のあらゆる構成要素に必要です。
一般的なおかき・あられ・せんべいにも約5~10%の割合で含まれています。
「たんぱく質の役割ってなに?」「肌の美容や健康とも関係があるの?」
といった疑問を解消すべく、たんぱく質の働きと役割についてまとめてみました。

コラーゲンは「肌を作るたんぱく質」とも言われています。
たんぱく質は体を作る栄養素

たんぱく質は、アミノ酸がペプチド結合してできた鎖状の高分子化合物。
筋肉や臓器、骨、爪、皮膚、髪などのあらゆる組織に関わり、体の機能を調整するホルモンや消化酵素の原料として利用されています。
体を構成する「構造たんぱく質」(例:皮膚や骨のコラーゲン、髪の毛のケラチンなど)や、体内で特定の機能を持つ「機能たんぱく質」(例:牛乳に含まれるカゼイン、酵素、ホルモンなど)といった、多種多様な種類が存在します。
2種類のたんぱく質
たんぱく質は、肉や魚、乳製品などの動物性たんぱく質と、穀類や豆製品などの植物性たんぱく質に分かれます。
- 動物性たんぱく質・・・肉、魚、乳製品など
- 植物性たんぱく質・・・穀類、豆製品など
それぞれの食品ごとに、たんぱく質を構成するアミノ酸の比率が違ってきます。
たんぱく質は、多数のアミノ酸がペプチド結合して構成されている高分子化合物である。アミノ酸は、20種類あり、アミノ酸が2個以上結合したものをペプチド、一般に10個程度結合したペプチドをオリゴペプチド、それ以上をポリペプチドといい、たんぱく質はアミノ酸が80個程度かそれ以上結合したものである。
出典元:厚生労働省 HP
たんぱく質を構成するアミノ酸
20種類のアミノ酸のうち、体内で合成されないものは「必須アミノ酸」、体内で合成できるものは「非必須アミノ酸」に分類されています。
必須アミノ酸(9種類)は、イソロイシン、ロイシン、リシン(リジン)、含硫アミノ酸(メチオニン+シスチン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン+チロシン)、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン。
非必須アミノ酸(11種類)は、グリシン、アラニン、セリン、シスチン、チロシン、プロリン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン。

必須アミノ酸をバランスよく含むものを「良質たんぱく質」と呼びます。
このバランスを国際的な基準で数値化したものが「アミノ酸スコア」で、100に近いほど、体内で効率よく利用できる質の高いたんぱく質であることを示します。
例えば、肉や魚、卵、そして大豆製品などはアミノ酸スコアが100の代表的な食品です。

私たちの体のなかでは、日々新しいアミノ酸を補給しながら新陳代謝が行われています。どちらも体を作るために必要なのでバランス良く摂取することが推奨されています。
アミノ酸スコアが低い食品でも、組み合わせ次第でスコアを補完できるため、献立全体でバランスをとる視点も大切です。
PFCバランスとは?3大栄養素の役割と理想的な割合をわかりやすく解説
たんぱく質の摂取量の目安
私たちは1日にどれくらいのたんぱく質を摂取すれば良いのでしょうか。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、健康な成人の1日あたりの推奨量は、男性(18~64歳)で65g、女性(18歳以上)で50gとされています。
1日あたりの推奨量 | |
---|---|
男性(18~64歳) | 65g |
女性(18歳以上) | 50g |
これはあくまで一般的な目安であり、ご自身の年齢や日々の活動量に合わせて調整することが大切です。
食事で賢くたんぱく質を摂るコツ

おかき・あられ・せんべいで使用される素材で、必須アミノ酸を比較的多く含むものが黒大豆、海苔、納豆などです。
間食でも、必須アミノ酸の補足効果を意識して食べることで栄養バランスを高めることも。
様々な食品に含まれる必須アミノ酸のバランスを考えることは、健康的な食生活の基本です。
例えば、お米(精白米)は必須アミノ酸の「リシン」が不足しがちですが、大豆製品にはリシンが豊富に含まれています。

そのため、ご飯と味噌汁(大豆製品)という日本の伝統的な組み合わせは、互いの弱点を補い合う、栄養学的にも非常に理にかなった食事なのです。
この考え方を間食にも応用してみましょう。お米から作られるおかき・せんべいに、必須アミノ酸が豊富な黒大豆を組み合わせた『黒豆入りのおかき・せんべい』を選ぶことは、おやつで手軽に栄養バランスを整えるための一つの賢い選択肢と言えるでしょう。


黒大豆の配合率が高くなると、含まれるたんぱく質量が増えると言えます。
【黒豆の最高級品種】丹波黒大豆の栄養素と効能効果について|おかき・あられ・せんべいの素材編
たんぱく質と美容の関係

コラーゲンは、肌のハリや弾力に関わる“構造たんぱく質”のひとつ。
体内たんぱく質の約30%を占め、アミノ酸が鎖状につながった三重の螺旋(らせん)構造です。
皮膚組織では細胞と細胞を繋いで肌のハリや弾力性を保つ働きがあり、水分を除くと皮膚の約70%がコラーゲンと言われています。
コラーゲンは加齢とともに減少すると言われており、良質なたんぱく質を日常的に摂取することが肌の健康を保つ鍵となります。
コラーゲンペプチドの吸収と効果|美容や肌の健康に必須のタンパク質とは?
たんぱく質摂取の注意点:摂りすぎにも注意
たんぱく質の重要性について解説してきましたが、何事も「摂りすぎ」は禁物です。
私たちの体が必要とする量を超えてたんぱく質を摂取すると、体内で使いきれなかった分を分解するために、肝臓や腎臓に負担がかかってしまう可能性があります。
また、腸内の悪玉菌のエサとなり、腸内環境が乱れる原因になることも指摘されています。
通常の食事でたんぱく質が過剰になる心配はほとんどありませんが、健康のためと思って特定の食品ばかりを食べたり、サプリメントを利用したりする際には、ご自身の食生活全体を見渡し、バランスを考えることが何よりも大切です。
まとめ:間食でも「質」を意識して、美味しく健康に

たんぱく質は私たちの体にとって不可欠な栄養素ですが、その「量」だけでなく「質」や「バランス」も非常に重要です。
日々の食事はもちろん、ちょっとした間食でも、お米に不足しがちな必須アミノ酸(リシン)を補える黒大豆を使ったお菓子を選ぶなど、少し意識を変えるだけで、より健康的で豊かな食生活を送ることができます。
ぜひ、おやつ選びの参考にしてみてください。

ぜひ、おやつ選びの参考にしてみてください。

【参考文献】
●新しいタンパク質の教科書 上西一弘 監修(池田書房)
●たんぱく質とからだ 平野久 著(中公新書)
●高たんぱく健康法 三石巌 著(阿部出版)
●八訂 食品成分表 2025 (女子栄養大学出版)
【参考サイト】
●日本食品標準成分表2020年版(八訂)文部科学省
※栄養成分の効能効果については個人差があります。
※写真やイラストはイメージです。