【塩分とりすぎ?】おかき・あられ・せんべいを安心して楽しむ塩分コントロール術

salt content of rice crackers

3種類の味付けを例に塩分量の違いを一覧表で比較してみました。

絶妙な塩加減のおかきやせんべいって、一度食べ始めると止まらなくなります。でも、ふと『塩分、摂りすぎてないかな?』と心配になることも。

おかき・あられ・せんべいにはどのくらいの塩分が含まれているの?」といった疑問を解消するため、この記事では塩分量を徹底比較したいと思います。

安心して楽しむための知識と、食べ過ぎてしまった時のリカバリー方法まで、分かりやすく解説します。

おかき・あられ・せんべいの塩分はどのくらい?

おかき・あられ・せんべいの写真

一般的なおかき・あられ・せんべいを例にとると100gあたりに含まれるナトリウム(食塩相当量)は約1.7〜2.0gです。

種類おかき
あられ
しょうゆ
せんべい
エネルギー381kcal373kcal
たんぱく質7.9g7.8g
脂質1.4g1.0g
炭水化物84.2g83.1g
食塩相当量1.7g2.0g
参考:七訂 食品成分表2020 女子栄養大学出版部

3種類の風味で塩分量を比較

黒大豆と黒豆おかき(撮影写真)

塩分は、素材や調味料に含まれる食塩の量で異なります。ここでは、実際に弊社で扱っている黒豆おかきの3種類の味を例に数値を比較してみました。

醤油は、主に大豆、小麦、食塩などで作ります。サラダ味には、植物油脂と食塩が使われています。素焼きにも基本的には保存性を高める目的等で微量の食塩を使っています。

素焼きと比べた場合、醤油味とサラダ味には食塩が多く含まれているため食塩相当量も高めになります。

種類100gあたり1枚あたり
素焼き1.25g0.1g
醤油味2.1g0.17g
サラダ味2.0g0.16g
※1枚あたりは、約8gとなります。

「食塩相当量」の数値は商品によって異なりますので、必ずパッケージの栄養成分表示をご確認ください。

塩分(ナトリウム)の役割と効果

食塩

食塩は英語で「salt(ソルト)」。台所で使う塩「kitchen salt(クッキングソルト)」や「table salt(テーブルソルト)」と表現する場合もあります。

食塩は化学的には『塩化ナトリウム』と呼ばれ、ナトリウムと塩素が結合したものです。食品の栄養成分表示では『食塩相当量』として表示されています。

おいしさを引き立てるだけでなく、料理や加工食品の保存性を高める効果もあり万能調味料として昔から利用されています。

ナトリウムは人間の体には欠かせないミネラルで、カリウムと協力して細胞内外の水分量の調節や物質交換を行う働きがあります。

筋肉を弛緩させたり、神経の伝達作用などを助けてくれる大切な栄養素。

一方、塩素は胃の中に含まれ、消化の促進や殺菌の作用があります。

“塩分控えめ”表記の読み解き方

スーパーで「減塩」「塩分控えめ」といった商品を見かけますね。実はこれらの表示にはルールがあります。「うすしお味」のようなイメージだけの表記と混同しないことが大切です。

一番確実なのは、やはりパッケージ裏面の「栄養成分表示」で「食塩相当量」の数値を直接確認することです。

とはいえ、食べる量を自分でコントロールするのも有効な方法です。例えば、食塩相当量が「100gあたり2.0g」のおせんべいでも、食べる量を25g(大きめのおせんべい約3枚)にすれば、摂取する塩分は0.5gに抑えられます。

塩味はおいしさを食欲を引き立てるため、つい食べ過ぎてしまいます。あらかじめ食べる量をお皿や容器に取り分けて、残ったものは先に閉まっておくことで食べ過ぎを防止することができます。

また、緑茶やほうじ茶など、カリウムを含む温かいお茶と一緒に、ゆっくり味わって食べることも効果的です。

一枚一枚の食感や香り、味の変化を意識してじっくり味わうことで、少ない量でも満足感が高まり、食べ過ぎを防げます。

1日あたりの食塩相当量目標

塩を振りかける風景(イメージ画像)

体内の塩分量は大人の場合、体重の約0.3〜0.4gといわれています。摂り過ぎるとむくみや高血圧などの病気を引き起こす原因に。

1日の食事で適量を適度に摂取していれば問題はないと言われていますが、おやつの時間に塩分の多いお菓子をついつい食べ過ぎてしまうと簡単に基準値を上回ることがあります。

食塩摂取量の平均値

厚生労働省の『国民健康・栄養調査(令和5年)』結果の概要によると、食塩の摂取量の平均値は9.8gで、男女別では男性が10.7g、女性が9.1gとなっています。

塩分の適量については個人差があるため、自分にあった量を上手に摂取することが大切です。

なお、日本人の食事摂取基準では食塩の1日の摂取基準量は、成人男性の場合7.5g未満、成人女性の場合6.5g未満

*高血圧の人は6g未満とされています。

WHO(世界保健機関)では生活習慣病予防のために1日「5g未満」を推奨しています。

(注)持病のある方は、必ずかかりつけ医などに塩分量を確認するようにして下さい。

塩分オーバー時のリカバリー方法

バナナ入りのヨーグルト(イメージ画像)

おいしさのあまり、おかき・あられ・せんべいを食べ過ぎてしまった場合は、適度な運動で汗を流すのが効果的ですが、塩分の排泄に一役買ってくれる栄養素を含む食品を利用する方法もあります。

塩分を摂り過ぎたかなと思ったらカリウムを豊富に含む食品を利用する!

食塩の主成分であるナトリウムの摂取量が多くなると、余分なナトリウムを排泄してくれる働きを助けてくれるのが同じミネラルの仲間である『カリウム』です。

カリウムで塩分バランスを整える

カリウムは、ナトリウムとともに細胞の浸透圧を適切な状態に保ちます。つまり、ナトリウムによる血圧の上昇を抑えてくれます。また、利尿作用もあるため、身体のむくみを改善してくれる働きもあります。

カリウムを多く含む食べものが、ほうれん草やモロヘイヤなどの野菜類、さといもやさつまいもなどの芋類、昆布やひじきなどの海藻類、大豆やあずきなどの豆類、アボカドやバナナなどの果物など。

筆者は日常的におかき・あられ・せんべいを楽しむため、カリウム豊富なバナナやきな粉をヨーグルトに混ぜて摂取するようにしています。

※食べ合わせは体質や健康状態によって向き不向きがあります。

まとめ:上手に楽しむ3つのポイント

食事に塩をかける様子(イメージ画像)

おかきやせんべいは、私たちの食生活に彩りをくれる、おいしいおやつです。大切なのは「絶対に食べてはいけない」と我慢するのではなく、塩分と上手に付き合っていく知識を持つことです。

この記事のポイントを振り返ってみましょう。

  1. まずは知る:パッケージに記載された「食塩相当量」を必ず確認する習慣を身につける
  2. 食べ方を工夫する:お皿に取り分け、温かいお茶とともに味わいながらゆっくり食べる
  3. バランスをとる:食べ過ぎた場合は、カリウム豊富な果物や野菜で塩分を調整する

これらの小さな工夫が、健康的な食生活と、おやつを楽しむ心の余裕につながります。日々の食事全体のバランスを考えながら、これからも安心しておかき・せんべいを楽しんでください。

※持病のある方や、食事制限について不安がある場合は、かかりつけ医や管理栄養士にご相談ください。

コラム:料理での塩の目安

小さじ少々の塩(イメージ画像)

塩の量の目安は、軽量スプーンやカップがなくても、だいたいの量をつかむことができます。

料理における塩少々で約0.5g、塩ひとつまみで約1g程度とされています。

塩は美味しさの決め手になる調味料なので、ほどよい匙加減(さじかげん)がポイントになります。これらを参考におやつの時間にも活かしていただければと思います。

塩少々約0.5g
塩ひとつまみ約1g
小さじ(5ml)6g
大さじ(15ml)18g

※栄養素の効能効果については個人差があります。
※写真やイラストはイメージです。