脂質(油)は様々な食品を通じて体内に取り込まれ消化吸収が行われます。
気になるのはコレステロールではないでしょうか。
その中でも「悪玉コレステロール」とも呼ばれているのが LDL-コレステロールです。
私は仕事柄、植物油脂を使ったおかき・あられ・せんべいを非常によく食べます…。
そのため、LDL-コレステロールを減らしてくれるオリーブオイルや魚油は意識して摂取しています。
コレステロールを減らすポイントは油の種類!
コレステロールとは?
コレステロールとは、脂質(Lipid)の仲間です。
エネルギー源となる三大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)の “ 脂質 ” 。
体内に存在している脂質は、中性脂肪・リン脂質・遊離脂肪酸・コレステロールの4つ。
- 中性脂肪
- リン脂質
- 遊離脂肪酸
- コレステロール
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コレステロールは胆石から見つかりました!
コレステロールの大半は体内で作られる
コレステロールは、食べ物で摂取するよりも多くの量が体内で合成されています。
資料によると約20%が食事による摂取で、残りの約80%は体内で作られているようです。
- 食事から摂るコレステロール:約20%
- 血中コレステロール:約80%
佐々木敏氏の著書「佐々木敏の栄養データはこう読む!」(女子栄養大学出版部)に「食品中のコレステロール ≠ 血中コレステロール」とあります。
つまり、血中コレステロールの大部分は体内で作られ、全体に占める一部のコレステロールが食品に由来するという意味。
コレステロールの大半は体内で作られています。
せんべいやポテトチップスなどのお菓子は控えなくても大丈夫?
え?そうなの?
なら、血中のコレステロール値には影響がないならお菓子は控えなくても大丈夫?
ポテトチップスやケーキなどのお菓子は沢山食べたくなります。
しかし、食べ過ぎてしまうと回り回って脂肪として蓄積されるため肥満の原因になってしまいかねません。
いわゆる体脂肪!
では、おかき・あられ・せんべいはどうなのでしょうか?
食べ過ぎは結果として体脂肪を増やすことに繋がります。
摂取カロリーが消費カロリーを上回る状態が続くと肥満の原因に。
摂取カロリー > 消費カロリー
私も日頃から、肥満度の目安であるBMIや体脂肪率を常に意識しています。
また、カロリーを目安に適度な量を最適な時間帯に食べることも大切。
なぜ?間食のお菓子は200キロカロリーが目安?|おやつの意味と役割
LDL-コレステロールを油脂で減らす?
LDL-コレステロールを上昇させると考えらているのが飽和脂肪酸です。
飽和脂肪酸が多いとよく話題にされてしまうお菓子がポテトチップスや揚げ煎餅…。
食品では肉類や乳製品が代表格。
- 飽和脂肪酸
- 一価不飽和脂肪酸(n-9系)
- 多価不飽和脂肪酸(n-6系、n-3系)
一方、LDL-コレステロールを減少させると考えらているのが一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸。
一価不飽和脂肪酸の代表例は、オレイン酸を多く含むオリーブオイル。
多価不飽和脂肪酸は、オメガ3系ではDHAやEPAなどを含む魚油です。
飽和脂肪酸の摂取量はどのくらい?
飽和脂肪酸の摂取量については、日本人の食事摂取基準(厚生労働省)で18歳以上では7%以下が目標量とされています。
普段の食生活で摂取する油脂の種類を意識することは大切!
※飽和脂肪酸の目標量は、総エネルギー摂取量に占める割合(%エネルギー)。
脂質と脂肪の違い|中性脂肪は同じ意味ではないの?脂肪酸の種類 編
コレステロールの働き
コレステロールの働きは大きくは3つ。
- 生体膜の構成成分となる
- 胆汁酸の材料となる
- ステロイドホルモンの材料になる
コレステロールは、主にタンパク質やリン脂質、糖脂質とともに生体膜を作っています。
胆汁酸は肝臓で作られています。脂質の消化吸収に重要な働きをしています。
副腎皮質ではステロイドホルモン、精巣や卵巣では性ホルモンの材料に使われています。
実はビタミンDを作る材料としても利用されています。
コレステロールを運ぶリポタンパク質
コレステロールは脂質のひとつであるため水には溶けません。
そのため、血液のなかをカプセルのような殻「リポタンパク質」に入って移動しています。
リポタンパク質は4種類
このリポタンパク質は、比重や大きさによって4つに分かれています。
消化管で吸収された中性脂肪を肝臓へ運ぶ「カイロミクロン(キロミクロン)」と、肝臓で合成された中性脂肪を脂肪組織へ運ぶ「超低密度リポタンパク質(VLDL)」。
- カイロミクロン(キロミクロン)
- 超低密度リポタンパク質(VLDL)
- 低密度リポタンパク質(LDL)
- 高密度リポタンパク質(HDL)
次に、コレステロールを必要な組織に運ぶ「低密度リポタンパク質(LDL)」と、
各組織で余ったコレステロールを回収して肝臓に戻ってくる「高密度リポタンパク質(HDL)」です。
コレステロールを運ぶLDLを「悪玉」、コレステロールを回収するHDLを「善玉」と呼ぶことがあります。
コレステロールの合成
たんぱく質・脂質・炭水化物が代謝されて、最終的にコレステロールが合成されます。
肝臓をはじめ、体内組織の各細胞内で「アセチルCoA(有機化合物)」からコレステロールができます。
アセチルCoA▶︎HMG-CoA▶︎メバロン酸▶︎コレステロール
1日のコレステロールの生産量は、個人差はありますが体重1kgにつき約12〜13mg。
体重が50kgの人の場合だと、約600〜650mgが肝臓で作られていることになります。
さいごに
糖質とタンパク質は4kcal、脂質は9kcalのエネルギー源となりますが、コレステロールはエネルギー源にはなりません。
食品からの血中コレステロールの上限値が撤廃されたといえ、食べ過ぎ飲み過ぎは体に良いとは言えません。
摂取量が多いと内臓に負担を強いることにもなり、生活習慣病などに繋がってしまいます。
間食で食べるお菓子も自分にあった量に調整したり身体活動でエネルギー消費量を増やすことが大切。
私も多い日には500kcal以上も試食をするため、脂肪燃焼にも効果的なウォーキングダイエットを取り入れています。
適度の運動は、HDLコレステロールを増やすと言われています。
最後までご覧頂きありがとうございました。当記事が何かの参考になれば幸いです。
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【参考文献】
・川島由紀子(監)栄養学の基本がわかる事典 西東社
・中嶋洋子(監)改訂新版 栄養の教科書 新星出版社
・佐々木敏(著)佐々木敏の栄養データはこう読む! 女子栄養大学出版部
・田中文彦(著)忙しい人のための代謝学 羊土社
・田地陽一(編)栄養科学イラストレイテッド 基礎栄養学(第4版)羊土社
・薗田勝(編)栄養科学イラストレイテッド 生化学(第3版)羊土社
【参考サイト】
・日本人の食事摂取基準 厚生労働省
●コレステロール値について不安な方は、かかりつけ医に相談するようにして下さい。
※写真やイラストはイメージです。